民法の基本原則と慣習

民法の基本原則
民法第90条では「公の秩序または善良の風俗(公序良俗)に反する事項を目的とする法律行為は無効」とされています。
しかし、「法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関せざる規定に異りたる意思を表示したるときはその意思に従う」としています。
契約書に書いてなくても、公序良俗違反の契約は無効だし、そうでなければ任意に取り決めた条項は当事者の契約の意思によるということです。

ところで、契約書中において、将来に発生の可能性が予想されるあらゆることを想定して記載しておくことができるかどうかは、契約書作成者の法律知識だけでは足りず、その契約対象(たとえばコンテンツ、ソフトウェアなど)に関する知識、さらにはその業界の知識や慣習までが関わります。
民法第92条では、「法令中の公の秩序に関せざる規定に異なりたる慣習ある場合において法律行為の当事者がこれ依る意思を有せるものと認むべきときはその慣習に従う」とあります。
この点について、特にライセンス契約においては、従来書面での契約という観念がともすれば薄かった映像業界、音楽業界、広告業界、アーティストの世界などで、作品の買い上げ、権利の譲渡、報酬の支払いなどが、慣習により処理されてきた部分も多くあります。
一方で、音楽のネット配信、JASRAC以外の著作権事業者の登場、権利者意識の向上など、従来の慣習を打ち破り、慣習では処理できない事柄も多く生じてきています。明文で記載しておかないと従来の慣習で処理されかねない条項なども多く、注意が必要です。

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