ライセンス契約の注意点

ここでは、ライセンス契約の一般的なご注意事項についてご説明します。
より具体的なご注意は、「はじめに」のページと、特許・意匠・商標・著作権などの各ページにおいてご説明いたします。

ライセンス契約とは、特許・意匠・商標・著作権をはじめとする知的財産権や、知的財産に関わる成果物・製造品・情報・データなどについて、他人に実施・使用・利用させるための契約です。
当サイトでは、さらに、知的財産を創造する過程での開発契約・知的財産を含む情報取り扱いに関する秘密保持契約、知的財産そのものを譲渡する譲渡契約、その他の内容についても取り扱います。

雛形(ひながた)の間違い
契約書の作成は、ビジネスの様々な現場で行われており、特によく使われる典型的な契約書、たとえば販売契約書、委託契約書、フランチャイズ契約書、その他の契約書について、契約書の書式集のような書籍などが販売されています。
こうした書式、契約書の雛形は、それなりには役にたつものではありますが、契約をする内容は1回ごとにそれぞれ微妙に異なっており、そのまま雛形を使って大丈夫なことはまずありません。
また、雛形はまず間違っていると思っていても大げさではありません。それは間違いというよりは、ほとんど同じような契約内容であっても、ほんの少し違う部分について、雛形の言葉をちょっと直す程度では、1箇所を直せば別の箇所に矛盾が出てきたりして、結局はそのままではとても使えないことになってしまうからです。

契約書の雛形の、当事者の欄(甲、乙など)、契約の対象、契約内容、日付、契約の対価など、契約書の雛形を差し替えればそれっぽい契約書はできます。できた感じがするでしょう。
では、それで争いになったときに、耐えられるでしょうか。
契約書に調印するときは、たいていの場合は、一緒にビジネスをやりましょうという状況なので、問題にはなりません。しかし契約書の役割とは何でしょうか。
揉めたときに紛争を解決する、話し合いで歩み寄れそうもなくなったときに解決の基準とする、裁判になったときの証拠とする、そうした契約書は、あらかじめ。どのようなときにどのようなことで争いになりそうか、歩み寄れなくなりそうか、最悪の場合にどのような証拠として機能させるか、こうしたことを作成しておくものです。

あるべき専門家とは
契約書を作成したいときに、探せばきっと、雛形はもちろん、多少の金額をかければ、契約書作成の専門家、安い費用でサポートといった情報に出会うことでしょう。しかし、知的財産の開発やライセンス契約において、様々な知的財産を一緒くたに扱っている契約書を書いてきたら、それは専門家ではないのでお断りしてください。
たとえば「特許、商標、著作権などの一切の知的財産権は甲に帰属する」などと書いてくる場合です。
そこでは、従業員が考えた発明は従業者に帰属する(特許法)けれど、従業員が考えた著作物は原則として法人に帰属する(著作権法、ただしこれも原則で例外もある)ことや、特許・実用新案・意匠・商標では共有の権利は各共有者が単独で行使できるけれど、著作権は共有者が一緒に権利行使をするかまたは代表者を定めて権利を行使するかということになることや、出願する前でも特許・実用新案・意匠では特許等を受ける権利があるけれど商標では異なるといったことが考慮されておりません。

法律の専門家・契約対象の専門家
司法試験、法科大学院でも、知的財産法を専門に履修しなければ、これらの専門家にはなれません。
しかし、これらの法律を勉強して専門的知識を身につけたとして、どのような契約対象を取り扱うか。
たとえばエンターテイメント分野、ソフトウェア分野などの契約対象について、本当に知識を持って、しかもこれらの分野についてどのような契約慣行や、技術の進歩や、データの処理方法や、現在問題となりあるいは将来問題となる可能性があることは何なのかといった認識や、これらすべてを、契約書作成時点の最新の状況で把握できなければなりません。

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