ソフトウェアライセンス

コンピュータソフトウェアを購入したり、オンラインで使用したりする際に、ライセンス許諾を受けることから、ソフトウェアライセンスについてはなんとなくなじみがあるように思います。
また、ソフトウェアを複製・販売したり、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)のようにオンラインで提供したりすることも、ライセンスに基づくものです。ゲームなどでもそうですし、あるいは遊技機の制御用プログラムや、デジタル家電に組み込まれたプログラムなどでも、ライセンスが関わります。

リバース・エンジニアリング

リバース・エンジニアリングの適法性について
リバース・エンジニアリングが許されることについては、特許法69条、半導体回路配置法12条2項には、試験・研究のための実施についての明確な規定があるのに対し、著作権法には規定がありません。
このため、著作権法上は違法となるという反対解釈が唱えられたこともありますが、今日では研究、評価のためにリバース・エンジニアリングを行うことは違法ではないと考える学説が支配的です。

リバース・エンジニアリングが許される限界は、
(1)純粋に科学技術的な知見を得る目的
(2)ソフトウェアの権利侵害を発見する目的
(3)ユーザーが使用するために必要な改変をする目的
(4)ユーザーが他の機械で使用するために改変する目的
(5)オリジナルメーカー以外のメーカーが上記(3)、(4)の目的に適合するような、よりよいソフトウェア等を開発する目的
のうち、(1)、(2)は著作者の権利を侵害しない研究的な行為であり、リバースエンジニアリング否定説をとる学説であっても著作権法上問題ないとされることが多く、今日ではほぼ異論がありません。

解析された創作的表現をもとにして新しいプログラムを開発することについては、リバース・エンジニアリングの結果、解析された著作物を他の目的のために複製、改変、翻案、譲渡したりすることは、許されるリバース・エンジニアリングの範囲を超え、著作権法違反となる可能性があります。

米国連邦最高裁においてプログラムのリバース・エンジニアリングは合法であることは判例によって認められほぼ固まっております。ヨーロッパでも、リバース・エンジニアリングは合法である旨の欧州連合指令が出されており、欧州各国はこれにならうものとみられています。

リバースエンジニアリングを禁止する契約条項と独占禁止法
次に、リバース・エンジニアリングについて合法説とこれを否定する説があり、またその境界にも若干の争いがあるところ、仮に今日の多数説となっている合法の立場をとった場合にも、リバース・エンジニアリング禁止条項を有する契約の存在が問題となります。
アメリカの裁判例において契約無効とされた範囲は、「プログラム所有者が機械で当該プログラムを使用するため不可欠な改変を禁じること」であり、ECの判例において契約無効とされた範囲は、「プログラムの使用権限を有する者が他のプログラムとの互換性を達成するために必要な再製と翻訳を禁じること」です。
日本では、リバース・エンジニアリング禁止契約条項は独占禁止法上問題があるという考えが相当受け入れられており、経済産業省においてもこのような議論がなされているものの、実務上はリバース・エンジニアリング禁止条項が広く受け入れられており、その目的や態様により結論が左右されることが想定されます。

したがって、ソフトウェアのライセンス契約にあたっては、リバース・エンジニアリングを禁止するかどうか、禁止する範囲と許される範囲等を、明確にしておくことが、後々のトラブルを避けるためには必要です。
しかしその場合には、独占禁止法に定める不公正な取引や、公序良俗などの民法の基本原則に抵触しないような契約内容にする注意が必要になります。

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